FIFAの200億ドル構想は、 なぜ72時間で撤回されたのか?

―JPMorganとThriveが直面した、スポーツ商業権の「拒否権」

2026年7月、国際サッカー連盟(FIFA)は、ワールドカップを含む主要大会の商業権と運営業務を、新会社FIFA Forward Enterprise(FFE)へ集約する構想を公表した。FFEの株式評価額は200億ドル。外部投資家へ約20%の少数持分を売却する一方、FIFAは支配を維持し、加盟協会への資金還元も行う計画だった。

評価額、出資比率、統治、資金配分まで、取引の枠組みは具体化されていた。提案資料の作成にはJPMorganが関与し、Thrive Capital創業者Joshua Kushnerが率いるThrive側が中核投資家になる予定だった。

それでも、構想は公表後約72時間で撤回された。

金融界の有力プレイヤーが関与した200億ドルの構想は、なぜ一度は成立可能だと考えられ、それでも、なぜ公表後わずか約72時間で撤回されることになったのだろうか。

記事紹介 ―200億ドルのFFE構想は、どのように作られ、撤回されたのか

今回主に参照するのは、以下の四つの記事である。

2026年7月31日付のThe Wall Street Journal “JPMorgan’s Pitch to Put a Value on FIFA”は、JPMorganがFFEの評価と投資家向け提案の作成にどのように関与したのかを報じている。7月30日付のBloomberg “Secret Talks With Kushner Led to FIFA’s Controversial Sale Plans”は、FIFA会長Gianni InfantinoとJoshua Kushnerの非公開協議から構想が始まり、JPMorganやThrive側が関与していった経緯を伝えている。

同じく7月30日付のThe Guardian “Fifa’s sales pitch revealed: more tournaments, more debt … but little mention of women’s game”は、加盟協会へ送付された25ページの提案資料を基に、大会拡大、デット活用、メディア権、チケット、加盟協会への分配などの具体策を報じた。8月1日付のThe Wall Street Journal “FIFA Scraps Controversial Plan to Sell Commercial Rights to Private Investors”は、地域連盟やFIFA内部からの反発と、公表後約72時間での撤回を報じている。

Bloombergによれば、FFE構想はInfantino会長と、Thrive Capital創業者のJoshua Kushnerとの非公開協議から始まった。FIFAは2026年初めにJPMorganを起用した。

JPMorganは、FIFAの商業権を新会社へ切り出す方法、事業の評価、投資家向け資料の作成、投資家候補の特定などについて助言した。Thrive Capitalが設立した長期保有型の投資主体Thrive Eternalが、投資家グループを主導する予定だった。

Bloombergは、関係者の間では、FFEは欧州の有力クラブによる離脱型リーグ構想European Super Leagueとは異なり、既存の競技秩序そのものを変更するものではないため、同じ規模の反発は起きないと見られていたと報じている。

最初のWall Street Journal記事は、JPMorganが作成を支援した投資家向け提案の内容を報じている。資料は、FIFAがNFL、MLB、NBAなどの米国プロスポーツと比べて十分に収益化されていないと説明している。なお、Thrive Eternalによる投資は、実行前の構想段階にあった。

新会社FFEには、FIFAの主要大会に関する放映権、スポンサー権、チケット、ホスピタリティ、ライセンス、新規事業などの商業権と、大会運営業務を集約する計画が示されている。

FFEには200億ドルの株式評価額を付し、その約20%の少数持分を売却して、約40億~42億ドルを調達する構想だった。投資対象はFIFA本体ではなく、FIFAが設立する子会社FFEである。

Wall Street Journalの記事によれば、資料は、FIFAがFFEの約80%を引き続き保有し、取締役会の過半数を維持する設計を示している。競技、ガバナンス、大会、国際試合カレンダー、規制、その他のスポーツ上の判断についても、FIFAが単独の支配と独占的な権限を維持する計画だった。外部投資家には、資本と商業的な専門能力を提供する長期パートナーとしての役割が想定されていた。

The Guardianが確認した提案資料は、調達資金の一部を211の加盟協会へ還元する計画も示している。各加盟協会には2,000万ドルの一時金を提供し、通常のサッカー開発資金であるFIFA Forward交付金についても、将来のサイクルで増額する構想だった。

同資料には、収益を拡大するための具体策も記載されている。FIFAが関与する大会・競技プログラムを約200から450へ増やし、2027~2030年に関与する選手数を65万人規模へ拡大する計画だった。女子とユースのプログラムも含まれているが、The Guardianは、25ページの資料における女子ワールドカップへの言及は限定的だったと報じている。

商業面では、資料は、メディア権の収益化を拡大・最適化し、有料放送やストリーミング事業者への販売を進めること、高収益のパートナーシップやイベントを優先すること、チケット価格を引き上げることなどを挙げている。外部資本に加えてデットを利用し、事業拡大を進める方針も示している。

構想の公表後、複数の方向から反応が相次いだ。UEFA(欧州サッカー連盟)と55の加盟協会は提案を拒否し、構想が存続する限りFIFA大会へ参加しないと表明した。Concacaf(北中米・カリブ海サッカー連盟)と41の加盟協会も構想を拒否し、報道とFIFAの発表によって初めて計画を知ったとして、適正な手続きや事前協議の不足を批判した。AFC(アジアサッカー連盟)も、適切な統治経路で検討する機会が与えられなかったと表明した。

世界のプロサッカー選手会を代表する国際組織FIFPROは、透明で明確な手続きと、選手を含む正当な関係者との実質的な対話を求めた。世界のプロサッカーリーグを代表するWorld Leagues Associationも、FIFA大会の価値はクラブによる選手派遣を含むサッカー界全体の協力によって生まれるとして、構想の撤回と包摂的な意思決定を求めた。

欧州のサポーター団体ネットワークFootball Supporters Europeと、イングランドとウェールズのサポーター団体Football Supporters’ Associationも、民間投資家への持分売却やワールドカップの民営化に反対した。

FIFA内部からも、個人レベルで辞任と批判が出た。別のWall Street Journal記事によれば、Infantino会長の上級顧問だったCarlos Cordeiroは構想への関与を否定して辞任し、FIFA最高執行責任者のKevin Lamourも、職員は計画について欺かれていたとして、構想を「一人のプロジェクト」と批判した。

FIFAは、構想の公表後約72時間でFFEを撤回した。Infantino会長は、さまざまな意見を聞いた結果、支持の水準にかかわらず、構想が当初の目的に反する性質の分断を生んだことが明らかになったため、計画を進めないと説明した。

金融関係者は、FIFAの何に200億ドルの価値を見たのか

200億ドルという評価で投資を成立させるには、現在のFIFAに価値があるだけでは足りない。JPMorganには200億ドルの評価を説明できる成長仮説が、投資家となる予定だったThrive Eternalには、投資後にFFEの収益と株式価値をさらに大きくできるという見通しが必要だった。

A FIFAの「収益化不足」は、投資機会だったのか

Guardianが入手した提案資料では、FIFAはNFL、MLB、NBAなどと比較され、“undermonetized”――十分に収益化されていない――と評価されていた。FIFAはすでに世界的な大会、ブランド、視聴者を持っている。さらに、放映権、スポンサー、チケット、ホスピタリティ、ライセンス、新規事業などの商業権と、大会運営業務をFFEへ集約する構想だった。

収益化が不十分であることは、投資家から見れば収益改善の余地が残っていることを意味する。FFEの収益が増えれば、投資家は将来の配当だけでなく、保有する少数持分の価値上昇からもリターンを得られる。

金融関係者にとって、FIFAがまだ収益へ変え切れていない世界的な人気そのものが、投資機会だった。200億ドルの株式評価額を前提に投資しても、その後にFFE全体の価値をさらに高められるなら、投資採算は成立し得る。

B 年間35億~36億ドルを、どこまで増やせると考えたのか

200億ドルという評価は、どれほどの収益力を求める数字だったのか。

FIFAの2027~2030年の収入予算は、4年間で140億ドルだった。単純に4で割れば年間35億ドルとなる。Guardianが報じた提案資料でも、FIFAの年間収入は36億ドルとされていた。一方、FFEに付された初期株式評価額は200億ドルである。ただし、35億~36億ドルはFIFA全体の年換算収入であり、FFE単体の現状収入ではない。FFE単体の収入が公開されていないため、以下では、評価額が求める収益規模と比較するための近似的な基準として用いる。

企業価値評価の考え方を使って逆算すると、この評価額が求める収益規模が見えてくる。計算方法は知識ボックス①で整理しているため、ここでは結果だけを確認したい。

第一は、WWEの公開評価資料で使われたAdjusted OIBDA倍率14~16倍と、F1の2016年のAdjusted OIBDAマージン約24%を丸めた25%を組み合わせる感応度計算である。この場合、200億ドルに対応する年間収入は約50億~57億ドルとなる。

第二は、Liberty MediaによるF1買収を参考にする計算である。買収時のF1のEnterprise Valueは約80億ドル、年間収入は約18億ドルで、EV/売上高は約4.4倍だった。この倍率を200億ドルへ当てはめると、年間収入は約45億ドルとなる。

異なる二つの試算から見ると、200億ドルという評価に対応する年間収入は、概ね45億~57億ドルとなる。これは、FIFA全体の年換算収入35億~36億ドルを、おおむね10億~20億ドル上回る規模である。FFE単体の現状収入がFIFA全体を下回るとすれば、200億ドル評価に対応する収益規模との差は、さらに大きくなる。現在の延長線上に小幅な成長を置くだけの評価ではなかった可能性がある。

これはJPMorganの評価モデルを再現したものではなく、公開された数字から、評価額が求める成長の規模を考えるための筆者の試算である。倍率や利益率を変えれば結果も変わる。それでも、異なる計算が近い収益規模を示すのであれば、年間50億ドル前後は、200億ドル評価が求めた成長の大きさを考えるうえで意味のある目安となる。

C その成長を、どのような手段で実現しようとしたのか

この規模の収益拡大を実現するには、既存事業の自然成長だけでは足りない。提案資料で示された施策は、大きく二つに分けて考えることができる。

第一は、既存の大会や商業権から、より多くの収入を得ることである。

Guardianによれば、資料ではメディア権の収益化の拡大・最適化、有料放送やストリーミング事業者への販売、高収益のパートナーシップやイベント、より高いチケット価格が成長策として示されていた。スポンサー、チケット、ホスピタリティ、ライセンス、新規事業もFFEへ集約する構想だった。

同じワールドカップであっても、放映権を販売する地域や媒体、権利の組合せ、配信先を変えれば、メディア収入は変わる。スポンサーについても、大会全体の協賛だけでなく、個別の商品やデジタルコンテンツを組み合わせれば、販売できる権利を増やせる。チケットやホスピタリティも、座席区分や需要に応じた価格設定によって、同じ試合から得られる収入を高める余地がある。

つまり、資料が示していたのは、単に観客を増やすことではない。放映権、スポンサー、チケットなどの販売方法を変え、一大会・一試合当たりの収益性を引き上げることが、第一の成長レバーだった。

第二は、販売できる大会、商品、市場そのものを増やすことである。

WSJによれば、提案資料では、大会・競技プログラムを約200から450へ増やし、2027~2030年に関与する選手数を65万人規模へ拡大する想定が示されていた。女子・ユースのプログラムも含まれていた。

一方、Guardianは、25ページの資料で女子ワールドカップへの言及は限定的だったと報じている。女子・ユースが収益計画の中心だったとまではいえない。それでも、男子の主要大会以外のプログラムが拡張対象に含まれていたことには意味がある。

大会や商品カテゴリーが増えれば、新しい放映権、スポンサー商品、チケット、開催地、ホスピタリティを販売する機会も増える。女子・ユースの大会は、既存の男子トップ大会とは異なる視聴者、スポンサー、開催市場を開拓する可能性を持つ。65万人という数字も、選手から直接収入を得るという意味ではなく、FFEが対象とする事業ポートフォリオの拡張規模を示していたと読める。

既存の商品をより高く売ることと、販売できる商品と市場の数を増やすこと。この二つが、金融関係者の描いた収益拡大策だった。

外部資本とデットは、それ自体が収益を生むわけではない。人材、販売体制、メディア事業、新大会などへの投資を前倒しし、こうした事業拡大を速めるための資金調達手段だったと考えられる。

金融関係者が価値を見たのは、現在のFIFAの収入ではなく、収益改善と商業ポートフォリオ拡張後の収益力だった。年間50億ドル前後という成長像は、FIFAの世界的リーチを考えれば理解可能である。その投資仮説を成立させるには、外部資本を入れてもFIFAの支配やサッカーへの還元は損なわれないと説明し、加盟協会などの関係者に受け入れられる必要があった。

金融関係者は、なぜこの取引が受け入れられると考えたのか

前章で見た成長仮説を実行するには、FIFA内部の資金だけでなく、商業事業を短期間で拡大するため、外部の資本と能力を取り込むことが一つの選択肢となる。そこで次に問われるのは、FFEへの外部資本導入が、なぜFIFAと加盟協会の双方に利益のある取引として説明できたのかである。

A 20%を売っても、FIFAの支配は残るのか

FIFAの説明では、外部投資家が取得するのはFIFA本体ではなく、子会社FFEの約20%に相当する少数・非支配持分だった。FIFAはFFE取締役会の過半数を維持し、競技、ガバナンス、大会、国際試合カレンダー、規制、その他のスポーツ上の判断についても、独占的な権限を残すとしていた。投資家は日常的な運営主体ではなく、資本と商業的専門性を提供する長期パートナーと位置付けられていた。

金融側の論理では、FFEの20%の経済的持分を外部へ渡すことと、FIFAがサッカーに関する支配権を失うことは、別の問題だった。FIFAそのものや競技上の統治権を売るのではなく、商業権と大会運営業務をFFEへ集約したうえで、その少数持分を外部へ渡し、外部の資金と能力を取り込む取引として説明できた。

この設計は、外部資本への反発に対応する説明材料にもなったと考えられる。投資家が競技、日程、規制などを直接決めないのであれば、金融利益がスポーツ上の判断を置き換える取引ではないと説明できる。実際、JPMorgan側はFFEについて、競技を変更しようとしたEuropean Super Leagueとは異なる案件と見ていたと報じられている。

投資家グループを主導する予定だったThrive Eternalが、短期的な売却を前提としない恒久資本型持株会社だったことも、長期パートナーという説明と整合している。

もっとも、少数株主は支配権を持たなくても、投資条件によって経済的権利、情報権、取締役会への参加、重要事項への同意権などを持ち得る。少数株主が持ち得る一般的な権利については、知識ボックス③で整理している。

B 42億ドルは、加盟協会に何をもたらすのか

FIFAはFFEの少数持分を外部投資家へ渡すことで、最大約42億ドルを調達する構想を示した。初期調達額は、新設するFIFA Fast Forward Programmeを通じて、211の加盟協会が任意に利用できる各協会最大2,000万ドルの一時金を提供するために使うと説明されていた。通常のFIFA Forward交付金についても、将来のサイクルで段階的に増額し、FFEから生じる純便益をサッカーへ再投資する構想だった。

この取引により、FIFAはFFEの将来価値の一部を外部投資家と分け合う代わりに、約42億ドルを先に確保できる。将来の大会収入や商業事業の成長を待つことなく、加盟協会への一時的な資金還元を前倒しできることになる。

外部投資家が持ち込むものも、資金だけとは限らない。商業人材、取引先とのネットワーク、メディアやスポンサー事業の知見を利用できれば、単なる持分売却ではなく、FFE全体の価値を拡大する取引として説明できる。FFEの価値が上昇すれば、FIFAが引き続き保有する約80%の価値も上昇し得る。

FIFA側が加盟協会へ示したのは、「20%を失う取引」ではなく、「20%を外部へ渡すことで、現在の資金を確保し、残る約80%の将来価値を大きくする取引」だったと考えられる。

この説明は、商業化への反発が起きないことを前提としなくても成立する。加盟協会にとって、女子、ユース、インフラ、指導者育成、代表チームなどへ使える資金が増えるなら、外部資本への懸念と比較できる具体的な利益になる。金融側には、一定の反対があっても、資金還元、サッカー開発、残る持分の価値上昇によって、必要な支持を得られると考える余地があった。FIFAは増額資金をインフラ、指導、代表チーム、競技、草の根、女子サッカーに使うと説明していた。

比較すべきなのは、現在の事業の100%を保有し続ける場合と、外部資本と商業能力によって拡大した事業の約80%を保有する場合である。後者の価値を十分に大きくできるなら、FIFAと加盟協会の双方に経済的な利益を示すことができた。

C スポーツの統治を残したまま、商業事業へ外部資本を入れられるのか

FFEと同一ではないものの、スポーツ組織が統治権を残しながら、商業事業へ外部資本を入れた比較可能な事例は存在する。

PGA Tour EnterprisesはPGA TOURの営利子会社であり、PGA TOURが支配を維持したまま、米国のスポーツチームオーナーなどを中心とするStrategic Sports Group(SSG)が少数株主として投資した。さらに、選手にも株式取得の機会が与えられ、現役・元選手が取締役会へ参加している。外部資本の導入と、商業価値を生み出す選手との経済的・ガバナンス上のアラインメントを組み合わせた事例である。

F1では、Fédération Internationale de l’Automobile(FIA)が競技、安全、技術、規制を統括する一方、Formula 1側がFIAとの長期契約に基づいて商業権を運営している。参加チームとの関係も、Concorde Agreementなどの長期契約と経済分配によって接続されている。競技上の統治と商業権を分けながら、統括団体、商業権会社、参加チームを一つの制度として結び付ける設計である。

両事例は、スポーツでは選手、チーム、統括団体、商業会社の利害が必ずしも一致しないことを前提にしている。そのうえで、株式、取締役会、参加契約、収益分配などを使い、異なる利害を一つの制度へ接続している。

金融関係者には、FFEについても、FIFAの支配権、加盟協会への分配、投資家の長期保有、競技上の権限と商業事業上の役割分担を組み合わせれば、外部資本に対する既知の反発を管理できると考える材料になった可能性がある。

PGA Tour EnterprisesとF1は、資本構成も統治の形もFFEとは異なる。それでも、競技上の権限をスポーツ側に残しながら、商業事業を別の会社や契約関係によって運営し、そこへ外部資本と専門能力を取り込む制度設計は可能だと、金融関係者には考えられたはずである。したがって、少数持分の売却を、サッカーの切り売りではなく、将来価値を拡大する資本政策として説明することも可能であっただろう。

スポーツへの外部資本導入には複数の設計がある。PGA Tour EnterprisesとF1の違いについては、知識ボックス④で整理している。

なぜ、想定された反発が取引の撤回へ変わったのか

前章で見た取引設計は、金融側から見れば一定の合理性を持っていた。それにもかかわらず、公表後には地域連盟、選手・リーグ、ファン団体、FIFA内部から反発が相次いだ。これは想定外の個別リスクだったのか。それとも、予見可能なリスクが別の問題へ変質したのか。

A 公表後、誰が何に反発したのか

FFE公表後に表面化した反対は、その主体も理由も一つではなかった。

FIFAには六つの地域連盟がある。記事紹介で触れたUEFA、Concacaf、AFCに加え、CONMEBOL(南米)、CAF(アフリカ)、OFC(オセアニア)である。その反応は地域ごとに一様ではなかった。

主体 確認された反応 主な争点
UEFA・55加盟協会 構想を拒否し、存続する限りFIFA大会へ参加しないと表明 持分売却、秘密性、事前協議の不足、意思決定の正統性
Concacaf・41加盟協会 構想を拒否。報道とFIFA発表で初めて知ったと説明 短い検討期間、適正な手続き(due process)、統治機関による事前審査・承認の欠如
AFC 適切な統治経路で検討する機会がなかったと批判 事前協議の欠如、意思決定過程
CONMEBOL 直ちに賛否を示さず、追加情報を求め、加盟協会との協議を開始 構想の範囲、ガバナンス、影響の精査
CAF・OFC 執行機関などで検討を続けると表明 提案内容の評価、域内協議
FIFPRO・リーグ団体 透明な手続きと、選手・クラブ・リーグを含む実質的な対話を要求 過密日程、選手負荷、意思決定への参加
ファン団体 民間投資家への売却や「ワールドカップの民営化」として批判 サッカーの商品化、意思決定からのファンの排除
FIFA内部・周辺関係者 会長上級顧問Carlos Cordeiroが辞任。最高執行責任者Kevin Lamourが公然と批判 構想の形成過程、内部共有、組織としての意思決定

UEFAやファン団体は、持分売却やサッカーの商品化だけでなく、構想が秘密裏に進められたことを問題にした。ConcacafとAFCは、事前協議や正式な意思決定手続きの不足を強く批判した。選手・リーグ側には、FFE以前から過密日程や選手負荷をめぐるFIFAとの対立があり、意思決定への参加も争点となった。

Cordeiroの辞任とLamourの批判は、FIFA Council(評議会)全体による正式な反対ではない。それでも、構想の形成過程や内部共有に対する異論が、FIFAに近い立場からも表明されたことには意味がある。

公表後の反発は、UEFAによる外部資本への反対だけではなかった。地域連盟、選手・リーグ、ファン、FIFA内部が、それぞれ異なる理由から構想へ異議を唱えた。

B 取引設計は、どのリスクへの回答になり得たのか

Aで見た懸念の多くは、FFEの公表によって初めて生まれたものではない。外部投資家による支配、短期利益の優先、加盟協会への還元、競技秩序への影響は、スポーツ案件で事前に予見し得る論点である。

前章で整理したFFEの設計を、これらの懸念との対応関係として見ると、次のようになる。

予見可能な懸念 対応する設計・説明材料
外部投資家がサッカーを支配するのではないか 投資家を少数株主にとどめ、FIFAが持分、取締役会の過半数、競技上の権限を維持
外部資本が短期利益や早期の投資回収(Exit)を優先するのではないか Thrive Eternalによる長期保有型資本
加盟協会に十分な経済的利益が還元されないのではないか 一時金、FIFA Forward交付金の増額、FIFAが保有する残り約80%の将来価値
スポーツへ外部資本を入れること自体が成立しないのではないか PGA Tour EnterprisesやF1に見られる制度設計
欧州の有力クラブによる離脱型リーグ構想European Super Leagueのように競技秩序を変えるのではないか 既存大会や参加資格を変更せず、商業事業の資本構成と運営能力を変える案件との区別

これらの仕組みが、実際に反発を抑える目的で採用されたかは公開情報から確認できない。少なくとも、予見可能な懸念に対して金融側が説明を組み立てられる設計にはなっていた。

主要報道によれば、JPMorganなどの関係者には、FFEはEuropean Super Leagueのように競技そのものを変更する案件ではないとの認識があったとされる。これは公式に確認された内部判断ではないが、一定の反発があっても、取引の仕組みを説明すれば必要な支持を確保できると期待していた可能性とは整合する。

金融側がどのリスクを実際に検討したかは公開されていない。ただし、FFEの取引設計には、外部資本の支配、短期利益、加盟協会への還元、競技統治の維持といった予見可能な懸念への回答として説明できる仕組みが組み込まれていた。

ただし、加盟協会への一時金や交付金は、経済的利益の還元不足という懸念には答えられても、商業権を外部資本へ移すこと自体の正統性への反対までは解消しない。この限界が、公表後に重要になった。

C 何が想定を超え、撤回に直結したのか

反発はUEFAだけにとどまらなかった。Concacafは41加盟協会とともに構想を拒否し、AFCも手続きを強く批判した。CONMEBOLも直ちに支持せず、追加説明と域内協議を求めた。UEFAとConcacafの96協会だけで正式承認が不可能になったわけではないが、欧州以外から早期に支持を固められる見通しも、不透明さを増したと考えられる。

さらに、持分売却、過密日程、秘密性、事前協議不足、短い判断期限、加盟協会への経済的利益という別々の論点が、誰がサッカーの将来を決めるのかという一つの正統性問題へ結び付いた。Cordeiroの辞任とLamourの批判も、反発がFIFAの外部だけでなく、構想を作り実行する組織自身へ及んでいることを示した。

この変化によって、前章とBで見た個別の対応策は機能しにくくなった。持分比率を下げても、意思決定手続きへの不信は残る。分配条件を変えても、商業権の外部移転や大会不参加への反対は解消しない。協議期間を延ばしても、すでに形成された「サッカーの売却」という受け止めを直ちに覆せるとは限らない。リスクの性質が、条件調整で管理できる問題から、条件変更では回復しにくい正統性の問題へ変わった可能性がある。

構想を維持すれば、UEFAの大会不参加やFIFA内部の離反が、選手・クラブの協力、放映権・スポンサー価値、加盟協会における会長支持へ波及し得る。スポンサーや放送局が実際に反対や契約解除を表明した事実はないが、将来収入を基礎とする200億ドル評価の前提が傷つく経路は見え始めていた。

FIFAは撤回時、構想が当初の目的に反する分断を生んだため、進めないと説明した。FIFAは、条件調整の時間を確保して構想を維持するのではなく、約72時間で全面撤回を選んだ。取引を維持すること自体が大会の商業価値とFIFAの政治基盤へ損失を広げかねない状況となり、全面的な顕在化を待たずに損失を限定する判断だったと考えられる。

FFEには、個別の懸念への回答として説明できる設計が組み込まれていた。しかし、反発が取引の正統性を否定する一つの問題へ変わった時点で、取引の論点は、条件修正による回復から、継続による損失拡大の回避へ移った。

スポーツでは、商業価値を生み出す感情が、同時にその価値の実現を拒む力にもなり得る。

若手金融マンへの示唆

「JPMorganとThrive Eternalが関与した200億ドル構想が、公表後約72時間で撤回された」。 このヘッドラインだけを見れば、準備不足や判断ミスによって頓挫した案件と受け取ることもできる。

しかし、取引を組み立てた金融関係者の側からたどると、別の見方もできる。将来の収益拡大を前提に、200億ドルという評価を説明する論理は組み立てられた。外部投資家を少数株主にとどめれば、FIFAの支配と競技上の権限を維持できるという設計もあった。加盟協会への資金還元も、外部資本を受け入れることで得られる具体的な利益として説明し得た。少なくとも、金融取引として一定の説明可能性を持つ構想だったと考えられる。

公表後に問題となったのは、個々の取引条件だけではなかった。異なる立場からの反発が、誰がサッカーの将来を決めるのかという正統性の問題へ結び付き、持分比率や分配条件の修正だけでは回復しにくい状態になった。撤回も、当初の判断を全面的に否定する行為ではなく、取引を維持することで広がり得る損失を止める判断として見る余地がある。

この事例の面白さは、合理性のない構想が失敗したことではない。

一定の合理性を持つように見えた取引が、どの時点で継続より撤回の方が合理的な案件へ変わったのかを考えられる点にある。

金融関係者が登場するニュースでは、成立した取引だけでなく、撤回された構想や成立しなかった取引にも考察の材料が残る。なぜ専門家が一度は実現可能だと考えたのか。どの前提が崩れ、どの時点で継続より撤回の方が合理的になったのか。そう考えてみると、短いヘッドラインの背後に、評価、統治、利害調整、損失限定という金融実務の輪郭が見えてくる。

知識ボックス

① 200億ドルは、どれほど稼ぐ会社の値段なのか

企業価値評価では、Enterprise Value(EV)が、EBITDAなどの利益指標の何倍に当たるかを見る方法が広く使われる。スポーツ・メディア企業の公開評価資料では、EBITDAに近いAdjusted OIBDAが使われる場合もある。

一方、利益構造が十分に分からない企業や、将来の成長余地が重視される事業では、企業価値が売上高の何倍かを見る方法も参考になる。ここでは、利益倍率と売上高倍率の二つから、200億ドルが求める年間収入を逆算する。

方法 使用する参考値 計算 年間収入の試算
利益倍率による感応度例 WWE評価資料のAdjusted OIBDA倍率14~16倍、F1の実績利益率約25% 200億ドル÷14~16倍÷25% 約50億~57億ドル
売上高倍率による比較 F1買収時のEV/売上高約4.4倍 200億ドル÷4.4倍 約45億ドル

第一の試算は、WWEの公開評価資料で使用されたAdjusted OIBDA倍率と、F1の2016年のAdjusted OIBDAマージン約24%を丸めた25%を組み合わせた感応度計算である。一つの比較会社や取引の数字を、そのままFFEへ適用したものではない。

二つの試算から示される年間収入は約45億~57億ドルとなり、本稿では年間50億ドル前後を一つの目安とした。FIFA全体の年換算収入35億~36億ドルとの比較では、試算された年間収入は約10億~20億ドル大きい。FFE単体の現状収入は公開されていないため、これはFFEの増収額を直接示すものではない。

これは唯一の答えではない。ただし、異なる方法が近い収益規模を示している以上、200億ドルという評価額が求めた成長の大きさを理解するうえで、意味のある目安にはなる。

注:FIFAが示した200億ドルは株式価値であり、EVとは同じではない。FFEの現金と負債が示されていないため、ここでは株式価値とEVが大きく異ならないと仮定した。また、利益倍率の試算はWWEの倍率とF1の利益率を組み合わせており、使用した数字はFFEの実績でもJPMorganの前提でもない。比較取引や仮定を変えれば、結果も変わる。

② Thrive Capitalとは、どのような投資会社か

項目 内容
創業者・設立 Joshua Kushnerが2009年に設立
主な投資領域 テクノロジー、ソフトウェア、成長企業
主な投資先 OpenAI、Stripe、SpaceX、Databricksなど
最新ファンド 2026年に100億ドル規模を調達
今回の投資主体 Thrive Eternal

Thrive Capitalは、少数の有力企業へ大きく投資する集中型の投資スタイルで規模を拡大してきた。OpenAIをはじめ、成長段階にある未上場テクノロジー企業への大型投資実績を持つ。

Thrive Eternalは、通常の期限付きファンドとは異なり、企業や文化的資産を長期保有するための恒久資本型持株会社である。最初の投資案件として、San Francisco Giantsの少数持分を取得することで合意していた。FFEの投資家グループを主導する予定だったのも、Thrive Capitalの通常ファンドではなくThrive Eternalだった。

Joshua Kushnerは、Donald Trump大統領の娘婿であるJared Kushnerの弟でもある。

③ 少数株主は、支配権を持たなくても何ができるのか

少数株主は議決権の過半数を持たなくても、株式の種類、定款、株主間契約、その他の契約によって、投資額と持分価値を守る権利を個別に交渉できる。

議決権の過半数を持たないことは、経済的・契約上の影響力を持たないことを意味しない。

権利・影響力 主な内容
経済的権利 配当、持分売却益、清算時の分配
ガバナンスへの参加 取締役指名、取締役会オブザーバー、財務・事業情報へのアクセス
重要事項の保護 大規模借入、増資、M&A、主要資産・事業の売却、関連当事者取引などへの同意権
持分価値の保護 優先引受権、希薄化防止、新株発行への参加
Exit関連 共同売却権、先買権、登録請求権、譲渡制限など
投資に付随する事業契約 株式投資と併せて締結するライセンス、販売、管理、長期供給などの契約を通じた影響

日常的な運営を担当しないことと、重要な取引について投資を保護することは両立する。また、投資家のリターンは毎年の配当だけではなく、会社の成長による持分価値の上昇や、将来の売却益も含む。

ただし、これらの権利は20%を保有すれば自動的に付与されるものではない。どの権利を持つかは、投資額、株式の種類、当事者の交渉力、定款や株主間契約などによって決まる。事業契約上の影響力も、少数株主であることから当然に生じるのではなく、株式投資と併せて別途契約を結んだ場合に生じ得る。

FFEについて公表されているのは、Thrive Eternal側が少数・非支配持分を取得する予定だったこと、FIFAが取締役会の過半数と競技上の権限を維持すること、投資家が日常運営上の役割を持たないと説明されていたことまでである。取締役指名権、情報権、重要事項同意権、希薄化防止、清算優先権、共同売却権などのExit権は公開されていない。

④ PGA Tour EnterprisesとF1――外部資本をどう組み込んだのか

スポーツ商業事業へ外部資本を入れる方法は一つではない。PGA Tour EnterprisesとF1では、スポーツ側に残る権限、外部資本の持ち方、選手・チームの組み込み方が異なる。

PGA Tour Enterprisesへ投資したStrategic Sports Group(SSG)は、米国のスポーツチームオーナーなどを中心とする投資家グループである。F1では、Fédération Internationale de l’Automobile(FIA)が競技面を統括し、Liberty Media傘下のFormula 1側が商業権を運営している。

PGA Tour Enterprises F1
スポーツ側の権限 PGA TOURが商業子会社を支配 FIAが競技・安全・技術・規制を統括
外部資本 Strategic Sports Group(SSG)が少数株主として投資。初回15億ドル、最大30億ドル Liberty Mediaが商業権会社を支配
統治・契約設計 13人中、PGA TOUR側が承認する9人、SSGが指名する4人 FIA、Formula 1、参加チームの関係を長期契約で規律
参加者の組込み 約200人の選手に合計15億ドル超の持分取得機会。現役・元選手が取締役会に参加 チームを参加契約、賞金分配、カレンダー、一定事項への同意手続きへ組み込む
比較上の意味 外部資本と選手の経済的・ガバナンス上の参加 競技統括、商業権、参加チームの契約的な分離と接続

PGA Tour Enterprisesでは、PGA TOURが商業会社の支配を維持したままSSGの資本を受け入れた。同時に、商業価値を生み出す選手にも株式取得の機会を与え、現役・元選手を取締役会へ参加させている。スポーツ組織の支配、外部資本、選手の経済的利益を、一つの商業会社の中で組み合わせた設計である。

F1では、FIAが競技上の権限を維持する一方、Formula 1側が長期契約に基づいて商業権を運営する。参加チームは、Concorde Agreementなどを通じて、大会への参加、賞金分配、カレンダー、一定事項への同意手続きに組み込まれている。競技統括主体と商業権会社を分けたうえで、長期契約と経済分配によって一つのスポーツ事業として接続している。

PGA Tour EnterprisesとF1は、外部資本、競技上の統治、選手・チームなどの参加者を、それぞれ異なる方法で制度へ組み込んでいる。両者はFFEの直接的な前例ではないが、外部資本の導入が、スポーツ側による統治の放棄を必ず意味するわけではないことを示している。

⑤ FIFAでは、誰が何を決めるのか

FIFAは単一企業のように、会長や一つの取締役会だけですべてを決める組織ではない。211の加盟協会、FIFA Congress、FIFA Council、六つの地域連盟が、それぞれ異なる役割を持っている。

主体 正式な位置付け・権限 FFEでの意味
FIFA Congress FIFAの最高・立法機関。211加盟協会が参加し、各協会は一票を持つ 加盟協会の意思を公式に示す場。ただし、FFEについて正式なCongress採決を行う予定だったかは、公開資料上明確ではない
FIFA Council Congressの間における主要意思決定機関。会長を含む37人で構成 FIFA公式は、FFEにCouncilの関連承認が必要としていた
211加盟協会 各国・地域のサッカー協会。FIFA Congressでは、規模にかかわらず一協会一票 FIFA公式は、FFE発足に加盟協会の過半数支持が必要としていた
六つの地域連盟 UEFA、AFC、CAF、Concacaf、CONMEBOL、OFC。各地域の大会や統治を担う 加盟協会の票を法的に一括して行使する主体ではないが、地域内の共同歩調を形成し、大会参加や商業価値へ影響を及ぼす

FIFA CongressはFIFAの最高・立法機関であり、加盟協会はそれぞれ一票を持つ。地域連盟が加盟協会の票を代理して一括行使するわけではない。FIFA CouncilはCongressとCongressの間における主要意思決定機関で、会長、8人の副会長、28人のその他のメンバーから成る。

一方、地域連盟は正式な投票権とは別に、加盟協会間の政治的な調整、地域大会の運営、FIFA Councilへの代表、大会への参加方針などを通じて影響力を持つ。UEFAの55協会やConcacafの41協会が共同歩調を取れば、それは単なる一組織の意見ではなく、多数の加盟協会による政治的な意思表示となる。

FFEについてFIFA公式発表から確認できる発足条件は、加盟協会の過半数の支持と、FIFA Councilによる関連承認である。ただし、正式なFIFA Congressで採決する予定だったのか、加盟協会への個別照会をどのように正式承認へ結び付ける予定だったのかは、公開資料では十分に示されていない。

地域連盟は加盟協会の票を法的に一括して行使する主体ではないが、共同歩調を形成し、大会参加と商業価値へ影響することで、正式な投票権とは別の力を持ち得る。

(編集部より)                                        あわせて読むと理解が深まる記事

参照記事

2026年7月31日 The Wall Street Journal

“JPMorgan’s Pitch to Put a Value on FIFA”

wsj.com

2026年7月30日 Bloomberg

“Secret Talks With Kushner Led to FIFA’s Controversial Sale Plans”

Bloomberg - Are you a robot?

2026年7月30日 The Guardian

“Fifa’s sales pitch revealed: more tournaments, more debt … but little mention of women’s game”

Fifa’s sales pitch revealed: more tournaments, more debt … but little mention of women’s game
Fifa’s pitch to persuade members to approve sale of World Cup’s commercial rights includes more tournaments, higher ticket prices and debt financing

2026年8月1日 The Wall Street Journal

“FIFA Scraps Controversial Plan to Sell Commercial Rights to Private Investors”

wsj.com

※本稿は、米国の金融コラム・業界記事を素材に、背景となる考え方や論点を整理することを目的とした考察です。本文中で紹介している参照記事には、有料媒体のものも含まれています。   本稿は生成AIを活用して下書き・構成整理を行い、筆者が検証・加筆修正の上で公開しています。